*対人援助にかかわる人を対象とした講座です

対人援助の感性を磨く

~ホスピス医に学ぶ~

講師: 小澤 竹俊 先生 めぐみ在宅クリニック院長 在宅ホスピス医

 「人は痛みを分かってくれると感じた人の前では苦しみを見せることができます。自分と違う人をそのまま『わかる』ことは難しいことですが、『理解者になる』ことはできます。そのためには、自分の価値観を押し付けるのでなく、相手の声に耳を傾けることが必要だと思っています。」とおっしゃる小澤先生の言葉には、何度聴いても新しい気付きがあります。
 小澤先生はスピリチュアルケアの理論と実際をやさしく教えてくださいます。

 対人援助にかかわる方、目指す方、心を学ぼうと思うすべての方に、持って欲しい大切な感性を学びます。


発達障害の専門医に学ぶ 子どもの心の育ち 

講師: 田中 哲 先生 子どもと家族のメンタルクリニックやまねこ院長 元東京都小児総合医療センター副院長 児童精神科医

 人間の子どもは他の動物に比べて超未熟児で生まれてきます。そしてその心は養育者のまなざしを受けながら人とのかかわりの中で育っていくのです。本講座では自立に至るまでの子どもの「心の育ち」をお話しいただきます。そしてそれにまつわることとして、発達障害や愛着障害にも触れていただきます。

 私たちは子どもが問題を起こすと問題を直すことばかりに気を取られ、子どもの心の育ちに気づかないことがありますが、子どもにとって大切なことは自分の心の育ちを大切に思ってくれる大人と出会うことです。

 子どもの育ちに必要な大人とのかかわりとは何か、地域の大人はどのようなことに注意を払って子どもの育ちを見守れば良いのか、

 子どもだけでなく親の支援にかかわる方にも参考になる内容です。

        

     

心理面接 ~その人の物語をよむ~

講師: 岩倉 拓 先生  あざみ野心理オフィス 、日本精神分析学会認定心理療法士 聖マリアンナ 医科大学・横浜国立大学非常勤講師

心理面接 ~その人の物語をよむ~

 発達障害、うつ病、統合失調症、人格障害、不安障害・・・・さまざまな診断名があります。しかし、診断名は人を表すものではありません。

全ての人は「人生の物語」を持っています。人を理解する上で大切な一つの視点は診断でなく、その人の人生の物語を読むことです。物語こそその人を表すものです。

その視点で眺めるとき、障害やこころの病は、人生の物語を紡ぐことの制止や困難さという視点で見直すことができます。そして、治療や治癒とは、その人固有の物語の再開や再生を意味します。また、心理面接においてはカウンセラーとクライエントの間で展開されている物語を読むことも大切になります。

本講座では、「家族歴」「成育歴」「来談の経緯」そして「転移―逆転移」と言った物語をどのように読むか、そして心理面接で、語られる物語をどう感じ、理解するのかということを講義したいと思います。

あざみ野心理オフィス・聖マリアンナ医科大学 岩倉 拓

 

 

パーソナリティ障害

講師: 小羽 俊士 先生 こば心療医院院長 精神科医

 どんな人との関わりでも、多少の摩擦や利害の対立はありますし、そのためにストレスを感じることは避けがたいことです。しかしそのような普通のレベルをはるかに超えた理不尽なほどのストレスを感じさせられてしまう人がいます。彼ら(彼女ら)と関わっていると、私たちは通常以上に傷つき、苛立ち、怒りを生じ、こうした自分自身のネガティブな感情に疲弊してしまいます。彼ら(彼女ら)は、対人関係における境界線を平気で踏み越え、マイルールを押しつけて他者を支配しようとしてきたり、自分の感情をコントロールするためにネガティブな感情を他者に押しつける形で他者の心を使ったりということが目立って多いのです。

パーソナリティ障害は、人との関係の取り方の基本特性の大きな偏りですが、それがどのような心の背景からくるのか、パーソナリティ障害の治療に一貫して携わってこられた小羽(こば)俊士(としお)先生から学びます。

   

   


共依存

講師: 吉永 陽子 先生  長谷川病院院長 精神科医

 対人援助の場面で、熱心に相手に関わろうとするあまりに、本来は相手がすべきことまでを引き受け、結果としてその人の依存症を悪化させてしまう関係があります。これを「共依存」関係と呼びますが、家族など身近な人との間だけでなく、援助職との関係でもよく起こります。

 共依存関係にあると、特定の相手に必要とされる事で自分の存在を確認し、その相手に献身的に対応するので、お互いが無くてはならない存在になり離れがたくなります。また、このような関係においては、自分が相手のためになると思い込んでいるため、お互いに依存し合っていることを自覚しにくい特徴もあります。

 本講座では、精神科臨床経験の豊富な吉永陽子先生から、対人援助の場面で起こりがちな共依存についてお話しいただきます。

認知症介護者のための 認知行動療法

講師: 藤澤 大介 先生 慶應義塾大学医学部准教授・慶應義塾大学病院 精神科医

 認知行動療法はうつ病などの治療のために有効ですが、認知症の介護にも応用できます。介護場面では、認知症のBPSD(行動・心理症状)だけに注目して問題行動に対してのアクションを取ってしまうこともあります。しかし、背景にあるその人の気持ちとそこに起きる認知に注目し、BPSDが起きるきっかけや周囲の反応を変化させることで、結果として状況を改善させることも可能です。また、ストレスの多い介護者のセルフケアにも、認知再構成、行動活性化、サポートマップなど認知行動療法のツールが役立ちます。

藤澤大介先生は認知行動療法の第一人者であり、老年期臨床の専門家でもあります。 高齢者医療、高齢者福祉などで認知症介護に携わる方や認知症患者家族の支援に携わる方に是非受けていただきたい講座です。

参考著書:「ワークで学ぶ認知症家族・介護者のためのストレスケアー認知行動療法のテクニック」(金剛出版)

   

   

 

マインドフルネス

講師: 川野 泰周 先生 RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長 禅僧      

 医療・矯正・教育だけでなく企業研修など幅広い分野でも取り組まれているマインドフルネスは、今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価せずにとらわれのない状態でただ観ることです。マインドフルネスを実践することで、未来でも過去でもなく、今のありのままの自分に気づき受け容れ、その結果として心や脳を休息させることが出来ます。

 マインドフルネスはセルフコンパッション(自分にやさしくできる)を高める最良の方法として注目を集めています。自己批判が強いとうつ状態や人生に対する不満をもたらしますが、セルフコンパッションを高めることで肯定的感情、自尊心、社会的繋がり、幸福感が高まるなど、心身の健康増進だけでなく、精神疾患の治療効果も実証されています。

 講師の川野泰周先生は、精神科医でありながら、禅寺で 3 年半にわたる修行生活を送った禅僧でもあります。

   

   

 

【参加条件あり】

〜認知行動療法既習者のための〜

スキーマ療法

講師: 伊藤 絵美 先生  洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長 臨床心理士  

 スキーマ療法は生きづらさの根っこを扱う、認知行動療法の一つの発展型です。認知行動療法は「認知」と「行動」を変えることでプロセスにおける悪循環を改善しますが、スキーマ療法ではその認知の底流部分にあたる「スキーマ」に目を向け、生きづらさの背景となっているスキーマの存在に気づくことでその影響力を弱め、楽に生きられるようなスキーマを増やしていきます。

 スキーマ療法は本来、パーソナリティ障害を対象に考案されたものですが、現在ではメンタルヘルスに問題がなくても、「人とうまく関われない」「何か生きづらい」といった漠然とした心理社会的問題を抱える当事者に対する有力なアプローチとしても注目されるようになっています。

 講師の伊藤絵美先生は認知行動療法を使って幅広い活動をされており、スキーマ療法においては日本における第一人者です。 本講座は認知行動療法既習者向けの講座です。

   
   
 

 

 

統合失調症

講師: 柏 淳  先生  ハートクリニック横浜院長  精神科医

 統合失調症は、主に15歳から30歳くらいという人生の一番輝いている時期に発症することの多い病気であり、将来を見通せなくなることから、本人も家族も病気を受け入れるのは簡単なことではありません。最近では良い薬も出て、病気ではない人と同じように社会生活を送れている人もいますが、それには適切な薬物療法と同時に周囲の理解と支えが必要です。
 実は、症状が目立って病気と診断される数年前からじわじわと陰性症状が出ているのに、本人はこれまでとは何かが違うと感じるもののそれがどうして起きるのかわからず、その辛さは周囲にもなかなか理解されません。また、陽性症状が目立つようになると、周囲の人はその症状ばかりに注目して、その人の辛さについて考えるのが後回しになりがちです。
 本講座では、統合失調症に伴う症状についてだけでなく、患者さんの苦しみ、共通する生活面での弱点や特性、それを支える生活臨床についてお話しいただきます。
講師は、臨床経験豊富で幅広い見識をお持ちの柏淳先生です。

   

   

精神分析的精神療法

講師: 小羽 俊士 先生  こば心療医院院長 精神科医

 精神分析的精神療法とは、症状や困りごとを治すためではなく、その症状を引き起こす不安に焦点を当てて性格の変容を目指す治療法です。精神分析の考え方の基本は、人の心の中にはさまざまな力の動きがあり、それによって不安や葛藤が生じ、心の働きに影響するというもので、そのような心のあり方を、無意識的な部分も含めて理解していくことをめざします。実際の精神分析的精神療法では、本人が心に浮かぶことを自由に話し、そのことを通して、治療者と一緒に、心の中で起きていることについて考えます。
 講師は、病理や治療法について常に最新の研究されるかたわら、一貫した姿勢で精神分析的精神療法を行ってらっしゃる小羽俊士先生です。
講師は、病理や治療法について常に最新の研究されるかたわら、一貫した姿勢で精神分析的精神療法を行ってらっしゃる小羽俊士先生です。

   

   

大人の自閉スペクトラム症

講師: 柏 淳  先生  ハートクリニック横浜院長  精神科医

  自閉スペクトラム症(ASD)は、その場の雰囲気が読めない、相手の気持ちを察して行動する事が苦手、微妙な言葉のニュアンスを汲み取れない、こだわりの行動がある、などが特徴としてあげられます。このため、うまく対人関係が築けず、周りとうまくいかないことで、不安になりやすく、うつ病や不安障害などの二次障害も出てくる事があります。スペクトラムには「連続体」という意味があり、その症状の内容や程度が人それぞれで明確な境界がありません。そのために、特徴を理解して一人ひとりに適切な対応をすることが望まれます。
 本講座では、大人の自閉スペクトラム症について精神科臨床経験豊富で幅広い見識をお持ちの柏(かしわ)淳(あつし)先生から学びます。

   

   

引きこもり支援

〜家族療法の観点から〜

講師: 田中 究 先生  関内カウンセリングオフィス代表 臨床心理士

 私たちは家族の誰かに、非行、引きこもり、摂食障害、「心の病気」などが起きた時、個人の中に原因を見出そうとします。それは時に、誰の責任か、誰のせいでこうなったのかという悪者探しへと発展し、問題解決からほど遠い状況を作り出すことがあります。

 家族療法は、家族の誰かに起きた問題を、その人を取り巻くシステムの中で起きる現象と捉え、家族や関係者と援助者が力を合わせることで、問題を維持しているシステムに働きかけ、問題解決を試みていくアプローチです。

 本講座では引きこもり支援を、家族療法の視点からどのように支えるかについて考えていきます。講師は、家族療法(システムズアプローチ)やブリーフセラピーがご専門の 田中 究先生です。

   

   

カウンセリングの技法

~人を育む積極的なカウンセリング~

講師: 福島 哲夫 先生  大妻女子大学教授 成城カウンセリングオフィス所長 臨床心理士

 カウンセリング(心理療法)には、その人が持つ本来の力を回復したり、成長を促したりする効果があります。一般にカウンセラーは自分のことは話さず積極的な評価をしないで中立な立場で傾聴することが求められますが、場面によってはカウンセラーの自己開示や肯定的な介入がクライエントに効果的な変容をもたらすこともあり、それが人を育む積極的な関わりになることもあるのです。もちろんそれが単なる技法であってはならず、その背景には常にカウンセラーとしての純粋な姿勢を持ち続けることが肝要です。
 本講座では、幅広い理論背景と豊富な経験を持ち後進の育成に力を注ぐと同時に、一方では常に臨床家としてあり続ける福島哲夫先生から「カウンセリングの技法」を学びます。近年、米国をはじめ世界中で注目されているAEDP(加速化体験力動療法)についてもお話いただきます。